Japanese/English

  1. Introduction
  2. Background
  3. Mechanism
  4. Reinforcement Learning
  5. Acnowledgement
  6. Relation


1. Introduction

 本研究では,大腸内視鏡検査時の患者の苦痛を和らげるため,腸管内を従来の内視鏡よりも低侵襲かつ容易に,深部まで挿入可能な自走式内視鏡を開発することを目的としています.

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2. Background

 近年,高齢者数の増加や食生活の欧米化などの環境因子の変化により,大腸がんの患者数は1999年に9万人を超え,2015年頃にはその2倍になると予測されています.しかし,大腸がんは早期に発見し,治療を行えば予後は良好であり,検診の手段である大腸内視鏡検査の重要性が高まっています.

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3. Mechanism

 本研究ではこれまでに 1. 回転慣性型,2. 逆ねじ型について研究を行いました.


3.1. 回転慣性型(Rotational inatia type)

 回転慣性型は小型のDCモータにフライホイールを装着し,さらにそれらを螺旋状のフィンを模した筒で覆うような機構をしています.原理は,モータに取り付けたフライホイールをゆっくりと加速し,フライホイールが高速回転に達したとき,急激に減速させます.これによって慣性力が生み出され,本体自体が回転することで,螺旋形状に従って推進することが可能となります.
  利点として,回転体を高速回転させることにより,大きなエネルギーを蓄えることが可能な点とそれにより大きな慣性力を比較的に連続に取り出すことが可能である点が挙げられます.

3.2. 逆ねじ型(Reverse screw type)

 逆ねじ型は,フィンの螺旋形状のねじ方向が逆になってい る2つのユニットを前後に結合し,前部のユニット内に配置したDCモータによって駆動します.原理としては, ねじ方向が逆のユニットが,モータによって逆方向に回転することにより推進するというものです.
 利点として,連続的な滑らかな運動が生成できるという点が挙げられます.
 現在はこの方式を主に開発しています.

3.2.1 WQE-2(Waseda Q:Kyudai Endoscope No.2)

 以下のモデルが2009年に開発したWQE-2です.フィン(外装)はセプトンという素材でできています.
弾性に優れているので,大腸壁を傷つけません. 自由度は以下のようになっています.
ユニバーサルジョイントにより,大腸形状に受動的に倣い,湾曲部を走行することができます.

Movies

  1. in vitro 実験 MPEG 12.6 MB
  2. in vitro 実験(湾曲部) MPEG 15.5 MB

(※ブタの内臓の映像が流れます.苦手な方は注意して下さい.)

3.2.2.1 WQE-3(Waseda Q:Kyudai Endoscope No.3)

 上記のWQE-2の走行速度は48.6[mm/min]であるのに対し,実際の医師による手技の速度は
約300[mm/min]であり,WQE-2の速度は十分とはいえない.
 そこで2010年は走行速度を向上させるため,以下のモデルを開発した.
 WQE-3dはモータを2つ直列につなぐことで走行速度の向上を図った.
 WQE-3iはタッチセンサおよび加速度センサを有し,後述する強化学習と組み合わせることで知能化を行い,走行速度の向上を図った.
 WQE-1Rは小型軽量に特化させることで走行速度の向上を図った.

3.2.2.2 WQE-3 評価実験

 上記のWQE-3d,3i,1Rについて,in vitroの評価実験を行った結果を以下に示す.

 グラフからもわかるように,WQE-1Rの走行速度が最も高いことがわかった.

 次に,上記と同様条件でin vivoの評価実験を行った結果を以下に示す.

 今回の実験からも,WQE-1Rの走行速度が最も高いことがわかった.
また,WQE-3iについては,強化学習を用いることで走行速度の向上が確認できたが,
WQE-1Rの走行速度には及ばないということがわかった.

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3.2.3 フィン・リードの最適化

 走行速度を向上させるため,セプトン製のフィンのリードの最適化を検討した.
以下に示すような,異なるリード,条数のフィンを製作し,走行速度を比較する実験を行った.

上記のグラフから,リード10[mm]のものが走行速度が高いことがわかった.
この結果を踏まえ,以下のようなフィンを製作し,同様の実験を行った.

これらの2つの実験結果から,本ロボットにはリード10[mm]のフィンが最も適しているといえる.

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4. Reinforcement Learning

 内視鏡ロボットを大腸内へ挿入する際には,大腸内の特性が分からない点,ロボットの走行自体が環境に影響を与える 点から,大腸内で試行錯誤を通して自らの制御を改善していく制御アルゴリズムが最適だと考えられます.そこで,内視鏡ロボットは強化学習 (Reinforcement Learning)を用いて制御を行っています.強化学習の特徴は以下の通りです.

  • 環境との相互作用で学習を行う
  • 与えられた指示に従って自動的に学習を行う
  • 予期せぬ状況にも対応する

強化学習の中でもアクター・クリティック法を用いて学習を行いました.特徴は下記の通りです.

  • 連続状態で学習が可能
  • プログラムが容易

 死んだブタの大腸おいて,強化学習を用いた場合と用いない場合の動画を下記に示します.
画像をクリックすると逆ねじ型ロボットの挿入動画を見ることが出来ます.
(※ブタの内臓の映像が流れます.苦手な方は注意して下さい.)


強化学習有り
MPEG 2.79 MB
強化学習無し
MPEG 3.48 MB

 強化学習の回数とロボットの走行距離の関係です.


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5. Acknowledgement

 本研究は,九州大学病院先端医工学診療部の田上和夫先生,家入里志先生,小西晃造先生, 植村宗則先生,大平猛先生,富川盛雅先生,橋爪誠先生の指導の下行われています. 諸先生方に感謝致します.
 また,研究に協力して頂いた株式会社クラレ様,3DCADソフトウェアをご提供して頂いたソリッドワークス・ジャパン株式会社様に感謝致します.


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6. Relation


九州大学

九州大学先端医工学診療部

ソリッドワークス・ジャパン株式会社

オキノ工業株式会社
株式会社クラレ   熱可塑性樹脂 セプトン

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自走班文献

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