医療教育班
WKH-4

(Waseda Kyotokagaku Head-No.4)


1. 概要

脳神経診察の手技のひとつである顔面筋の診察では患者に3種の表情を行ってもらいます.表情から診察する際に重要となるのが表情皺です.2013年度までに開発した脳神経系診察訓練用シミュレータWKH-3では, 座屈を用いて表情皺の再現を行っていたため,座屈の再現性および制御性の低さから自然な表情皺の形成に成功していませんでした. これらを解決し,自然で人間らしい表情皺を再現することを目標として,WKH-4の開発を行いました. 表情皺の形成方法として,座屈による変形ではないアプローチとして空気圧を用いた表情皺表出機構を考案しました.その結果,眉や口角などの特徴点の駆動と同時に皺を表出させることで自然な表情の表出が可能となりました.

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2. システム

WKH-4では表情皺の表出に空気圧を用いました.具体的には皺の断面を模した剛体を用意し,そこにシリコンマスクを接着し,溝内部に陰圧をかけることでシリコンマスク表面に皺の形状が表出する機構を考案しました(図1). 溝の形状は皺を模した部分と,シリコンが変形した際に空気管路となる部分からなります.この機構のシステムを図2に示します.また,瞼・口の開閉と,眉・口角といった特徴点を駆動させる機構を搭載しました.特徴点の駆動と皺の表出を同時に行うことで,より自然な表情の表出に成功しました.



図1.表情皺表出機構概要



図2.システム全体像


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3. 動作

   

WKH-4の動作を以下に示します.


額のしわ寄せ



睫毛兆候



口角拳上



麻痺患者(額のしわ寄せの場合)




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