概要
超音波検査は,被ばくの危険性がない非侵襲的な検査であることや様々な部位に対して任意の角度から画像を取得できることなどの利点があり,多くの臨床領域で利用されています.超音波検査は検査者の能力に依存し習得することが難しいにもかかわらず,十分な訓練を行えていないことが問題となっています.超音波診断装置や訓練用の人体モデルであるファントムは非常に高価であり,学生が使用できる時間も限られているため,在学中の訓練はほとんど行えていない現状です.
この問題を解消するために,私たちは超音波検査訓練を初めて間もない初学者(医学部や臨床検査技師養成課程,診療放射線技師養成課程の学生を想定)が超音波検査の訓練を行えるシミュレータの開発を行っています.本研究では特に,自宅で訓練可能な腹部超音波検査訓練用シミュレータの開発に取り組みました.
シミュレータはプローブ型コントローラとPCで構成されており,コントローラにより画面上の仮想プローブを動かすことで訓練を行います.帝京大学医学部の医師・検査技師の方々に有効性評価実験にご協力いただき,高評価をいただきました.
