上記1)にてマッチしたフレーム内各テンプレートのx軸方向の移動量の中央値をもってx軸位置とした.
中央値としたのは,まったく別の場所でマッチしてしまうテンプレートの影響を排除するためである.
検出したプローブ位置をターゲット位置のGraphic user interface(GUI)上に示し,検査者にプローブの移動方向を指示する.
Position_detection_in_xaxis
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GUI
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3.評価試験
(1)Intrasession(時間を空けない)試験
まず,3Dデータを記録してから位置決めまでの時間を空けずに本アルゴリズムの有効性を評価した.
医師1名,超音波技師2名の検査者が3名の被験者(男23-40歳)を対象に以下の手順で計18回の試験を行った.
i)血管分岐点などの明瞭な特徴点を選定する.
ii)選定した特徴点を含むようにz軸方向に平行にスキャンし,3Dデータを記録する.
iii)超音波画像を見ずにGUIのみでプローブを誘導する.
iv)誘導が終了したら診断画面を確認し,特徴点が含まれていたら「成功」とする.
結果,18回中17回が成功であった.
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パラメータ
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(2)Intersession(時間を空けた)試験
同様の試験を,3Dデータを記録してから位置決めまで最低10日間の時間を空けて計6回行った.
おおまかなプローブの位置は,写真で記録したが,実用の際は同様の記録が超音波診断装置の画面上に表示されるプローブマーカを用いることで可能である.
結果,6回中2回が成功であった.また,プローブの姿勢を若干変えると特徴点が確認できた場合が1回あった.
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クリックで再生
GUI誘導
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(3)考察
Intrasession(時間を空けない)試験により高い有効性が確認された.
Intersession(時間を空けた)試験においては成功率の向上が課題であった.改善の為,並進に加え姿勢の検出を今後実装する
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4.謝辞・リンク
共同研究者である東京女子医科大学の斉藤明子先生,姫路獨協大学の菅原基晃先生,東京都市大学の仁木清美先生,
日立アロカメディカル株式会社の皆様に感謝いたします.
また,3DCADソフトウェアをご提供して頂いた ソリッドワークス・ジャパン(株)に感謝いたします.
本研究は早稲田大学の人を対象とする研究等倫理審査委員会の許可を得て実験を行っています.
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