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WTA-2R

超音波診断画像の
3次元再構成法の構築

1.研究背景
2.手法
3.評価試験
4.謝辞・リンク
研究業績
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1.研究背景

はじめに

現在,我が国の医療分野における問題として,超高齢社会の到来や医師の局在化による無医村の存在などが挙げられる. また,画像診断の中で超音波検査は,低侵襲,装置が小型で安価,リアルタイム画像が得られるなどの利点がある一方で, 専門的な知識や経験が必要で,検査者によって得られる画像にばらつきがでるという問題がある.
 これらに対する解決策として,本研究では医師のタスクの一部または全部を代行する自律的な超音波診断ロボットシステムを提案する. これにより無医村問題への解決手段となるのみならず,検査者によらない再現性の良い検査が期待できる.

本研究の目的

本研究では,我々がこれまで開発した制御系によってロボットが自動収集した断層像データの
ユーザビリティ向上のため,断層像データから3次元ボクセルデータを構築する手法を開発し,
それを用いて任意の断面を表示する方法を実装し,その有効性を医師により評価することを目的とする.
本研究では対象臓器を最大の内臓であり,広範囲のスキャンが必要な肝臓に限定した.

2.手法

3次元ボクセルデータによる任意断面画像の生成

3次元ボクセルデータから任意断面を再構築するには大きく分けて3つのステップを踏む必要がある.

ステップ1 複数の体軸断層像
 ロボットのデータ収集によって得られた多数の断層像を,プローブの位置情報を基に3次元的に並べる.
ステップ2 3次元データ構築
 断層像間の間隙を補間し,ボクセル(voxel)と呼ばれる輝度の値を持った小さい立方体の集合体を構築する.
ステップ3 任意断面の設定
 計測時の断面にかかわりなく,任意の位置で任意の姿勢の断面画像を取り出す.

これをMPR法(multi-planar-reconstruction)と呼び,各断面を自由に動かし,回転させることで任意の断層像を任意の方向から見ることができる.

フローチャート
ボクセルデータによる再構築

3.評価試験

ユーザーフレンドリー試験

構築したシステムの有用性を確認するため,医師1名技師3名に対し評価試験を行った.
評価対象であるGUI,計測時間,画像明瞭性,ストレス,役立ち度の5項目に対しファントムから・患者からデータを取得した際の 5段階で評価を頂いた.
評価結果を以下に示す.

ファントムのアンケート結果
患者のアンケート結果

4.謝辞・リンク

 共同研究者である東京女子医科大学の斉藤明子先生,姫路獨協大学の菅原基晃先生,東京都市大学の仁木清美先生, 日立アロカメディカル株式会社の皆様に感謝いたします.
 また,3DCADソフトウェアをご提供して頂いた ソリッドワークス・ジャパン(株)に感謝いたします.
 本研究は早稲田大学の人を対象とする研究等倫理審査委員会の許可を得て実験を行っています.

姫路獨協大学
東京都市大学
東京女子医科大学
日立アロカメディカル株式会社
ソリッドワークス・ジャパン株式会社

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