背景: 診断や治療,治療などの分野で近年,咀嚼解析が利用されています.咀嚼解析の目的は,顎の筋骨格系障害を診断するための客観的な情報の提供と治療法の進歩を支援することです.そのため,顎運動の定量的な計測や解析のための装置の開発は,医療現場において注目されつつあります.顎運動の機能解析のために様々な顎の追従装置が開発されてきましたが,大抵は持ち運びに不便なものでした.顎運動解析装置の扱いやすさを改善するために,われわれはWB-4を使用して,顎の動作を追跡することを試みました.
目的・方法: われわれの目的は,WB-4システムを使用して,既存の装置の問題点を改善して,顎の運動解析装置の利便性を改良するために評価方法論を開発することです.
WB-4を1つは被験者の顎運動を計測するために下顎に装着し,もう1つは咀嚼時の額の運動を計測するためにベルトで固定しました(Fig. 2).また,咀嚼には20x12x6.0[mm] ,重量1.4[g]の粒のガムを使用した.
実験は3種類の方法で行いました.(1)ガムを自然に咀嚼してもらう(2)ガムを右側のみで咀嚼してもらう(3)ガムを左側のみで咀嚼してもらう.各被験者には(1)から(3)の順で実験を行ってもらい,咀嚼時間は全て60[s]として,それぞれ5回ずつ計15回行いました.
Fig. 2 WB-4 set position
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