高西研究室 自走班

はじめに


 我々高西淳夫研究室自走班は自走式大腸内視鏡の開発を行ってきました。そこで生み出された技術を引き継ぎ,現在では地中に埋設されたガス管の内部を検査するため,ガス管内を移動し、内部画像を取得するロボットシステムWATER(WAseda Tokyogas Endscope Robot)の開発に取り組んでいます。
 日本では、高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化が進む中で、それらに起因する事故リスクの低減が課題となっています。同時に、少子高齢化が進む中で、熟練技術者の確保や維持管理コストの高まりが課題となっています。ライフラインの多くは道路下に埋設されているため、老朽化の状況を確認するためには、道路を掘削または占用し、カメラ・センサー等で調査を行う必要があり、特に都市部ではこれらの作業の実施が困難となることもあります。その中で、ガス管などの地下埋設物においては、非掘削で地上から管内部のトラブル箇所を検査し、修理することが可能な新たな技術が求められています。そこで本研究では、トラブル箇所を短時間で簡単に特定することを目的として、ガス管内を移動して、カメラで内部を検査するロボットシステムの開発を2015年から続けています。