ENGLISH / JAPANESE
wabian img 2足ヒューマノイド班

WABIAN-2R (2006-)
(WAseda BIpedal humANoid No.2 Refined)
 ● 研究目的
 ● 研究成果
     WABIAN-2R
     人体運動シミュレータ
       としての応用
     実環境への応用
 ● 共同研究
 ● 今後の展望
 ● 謝辞
 ▲ WABIAN-2 (2005)
 ▲ WABIAN-2/LL (2003-2004)
 ▲ 加藤・高西研究室における
     ロボット開発
 ■ 2足班論文リスト

■ RoboSoM -A Robotic Sense of Movement-
伊・仏・葡との共同研究プロジェクト『RoboSoM -A Robotic Sense of Movement-』が 欧州の科学技術助成制度FP7(7th Framework Programme)にトップスコアで採択!
RoboSoM


 ●  研究目的

私達の研究グループでは「人間のパートナー」と「人体運動シミュレータ」という2つの目的で
2足ヒューマノイドロボットの研究を行っています.

1.人間のパートナーとしての2足ヒューマノイドロボット

Humanoid_Robot

ヒューマノイドロボットの様々な役割
  これまで,多くのロボットは工場内で単純な作業を決められた場所で行うという役割のみを担っていました.しかし近年では,人間の生活環境において人間と協調して様々な作業を行うなど,人間のパートナーとしての役割を求められています.
  そのためには道路や室内を自由に移動し,複雑な作業を人間と同じように達成しなければなりません.私達の研究グループでは,人間が使うことを想定して作られた環境の中を移動して作業を行うには,人間と同じ身体を持ち,同じ動きが可能であることが必要ではないかと考え,2足歩行ヒューマノイドロボットの開発を行っています.


2.人体運動シミュレータとしての2足ヒューマノイドロボット

walking_assist_machine walking_assist_machine

人体運動シミュレータとしての応用
  現在,日本は超高齢社会に突入し,多くの老齢人口を抱えています.高齢者は下肢に疾患を持つケースが多く,そのため高齢者の自立した生活を支える歩行支援機などの福祉用具の開発の需要が高まっています.しかしながらこれらの機器の従来の評価方法は人体計測によるものが一般的で,被験者の協力を必要とし,また得られるデータも定性的で再現性,計測精度に欠けることが多く,さらに転倒事故など被験者の安全確保に対する問題もありました.
  そこで私達の研究グループでは,2足ヒューマノイドロボットの人体運動シミュレータとしての応用を提案しています.これは開発段階の福祉用具のテストを人間の代わりにヒューマノイドが被験者となり行うもので,再現性・計測精度の高い実験を安全に行うことができ,その定量的な評価手法を製品の開発に活かすことを目標に研究を進めています.

-ページトップへ-
 ●  研究成果
 ●  WABIAN-2R

■ 設計仕様


Humanoid_Robot Humanoid_Robot
全高 mm 1500
重量 kg 64 (バッテリー込み)
自由度
脚部6×2
足部1×2 (受動)
腰部2
体幹部2
腕部7×2
手部3×2
首部3
合計41
センサ 6軸力覚センサ
フォトセンサ
磁気式エンコーダ
ジャイロセンサ
アクチュエータ DCサーボモータ
減速機構 ハーモニックドライブギア
タイミングベルト/プーリ
バッテリ Li-ionバッテリ
寸法図 自由度構成図

正面図

側面図
  WABIAN-2Rは,全長約1500[mm],重量64[kg]であり,全身に人間の運動を再現するのに最低限必要と思われる41自由度の関節を搭載しています.また,リンク長や関節可動角は人間のデータを参考に設計されています.
WABIAN-2R (2009)

  WABIAN-2Rは背中に搭載されたコンピュータにより制御されています.制御コンピュータはCPUボードと,I/Oボードから成り,PCIバスを通して接続されています.I/OボードはD/Aを16ch,カウンタを16ch,PIOを16ch搭載したHRP Interface Boardと,6軸力覚センサレシーバボードとなっています.
  制御コンピュータに搭載しているOSはリアルタイムシステムである,QNXを採用しました.アクチュエータには回転角検出用にインクリメンタル式のエンコーダを搭載し,関節側には初期位置検出のためにフォトセンサを搭載しています.また,足首に6軸力覚センサを搭載することで床反力やZMP(Zero Moment Point)計測が可能です.
制御システム概要

-ページトップへ-
 ●  人体運動シミュレータとしての応用

■ 2自由度を有する腰部機構  (2003)


pelvis_DOF

                     2自由度を有する腰部機構
  一般的な2足歩行ロボットが膝を曲げたまま歩行しているのに対し,WABIAN-2Rは,WABIAN-2WABIAN-2/LLと同様に人間のように膝を伸ばして歩行することが可能です.膝を伸ばした歩行が可能な理由は,通常の2足歩行ロボットにはない2自由度の腰部機構をうまく活用しているからです.リハビリテーション分野の研究から人間も歩行中に骨盤が動いていることが分かっており,この動きを模擬する腰部機構を備えることで人間と同じように膝を伸ばして歩行することが可能です.

従来の2足歩行ヒューマノイドの歩行(膝曲げ歩行)
膝曲げ歩行
(.mpg形式 13[s] 2.3[MB])

膝を曲げたままの歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]

腰2自由度を用いた膝伸展歩行
膝伸展歩行 1
(.mpg形式 13[s] 2.3[MB])

膝関節の伸展位を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]
膝伸展歩行 2
(.mpg形式 12[s] 2.0[MB])

タイル床での膝関節の伸展位を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]
膝伸展歩行 3
(.mpg形式 12[s] 2.1[MB])

屋外での膝関節の伸展位を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]



■ 歩行支援機を用いた歩行実験  (2005)




    歩行支援機を用いた歩行
  人体運動シミュレータとしての応用の一例として,歩行支援機を用いた歩行実験を行いました.人間の場合,歩行支援機のアームレストの高さは,通常直立姿勢時の肘の位置を目安としており,障害が重いほど低めに設定するとよいことが経験的に分かっていました.
  ロボットを用いたこの実験では,足部と腕部に取り付けられた力センサの値と,膝モータへの供給電流により計算されたモータの消費エネルギから,アームレストの高さが下がるほど腕にかかる力が増加し,膝の負担が減少するという定量的なデータが得られました.
  これにより,これまで経験的に分かっていた事実を人体運動シミュレータを用いることで定量的に評価可能であるということが分かりました.

歩行支援機を用いた模擬歩行アシスト実験  (2005)
歩行支援機評価実験
(.mpg形式 8[s] 1.5[MB])

WABIAN-2を用いた歩行支援機の評価



■ 爪先受動関節を持つ足部機構  (2006)




                   爪先受動関節を持つ足部機構
  人間の足部は多数の骨で構成されている複雑な構造をしています.そこで私達の研究グループでは3次元運動計測装置を用いて人間の足部の動きを測定し,そのデータを基に足部のモデル化を行い,踵から着地し爪先で離れる着地・離地動作が可能な足部を開発しました.
  爪先の機能に関しては臨床歩行の分野でいくつかの報告がされています.中でも定常歩行時の爪先の機能は推進力としての役割はなく,大股歩行においてのみ推進力として寄与するということがわかっています.私達は定常歩行に注目しており,爪先で推進力を発生させる必要はないため,爪先の機能を受動関節を用いて再現しました.それにより複雑な制御が不要で軽量な足部を実現しました.

爪先受動自由度を用いた踵接地・爪先離地歩行
踵接地・爪先離地歩行 1
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

踵接地・爪先離地動作を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:350[mm/step]
踵接地・爪先離地歩行 2
(.mpg形式 11[s] 1.9[MB])

踵接地・爪先離地動作を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:500[mm/step]
踵接地・爪先離地歩行 3
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

屋外での踵接地・爪先離地動作を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:350[mm/step]
踵接地・爪先離地歩行 4
(.mpg形式 11[s] 1.9[MB])

屋外での踵接地・爪先離地動作を伴う歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:400[mm/step]

踵接地・爪先離地動作を伴う歩行においての足部動作詳細
足部動作詳細 1
(.mpg形式 8[s] 1.3[MB])

人間とロボットの足部軌道の比較(WABIAN-2Rと人間)
足部動作詳細 2
(.mpg形式 12[s] 2.1[MB])

踵爪先動作の様子



■ 擬似障害歩行実験  (2007)




                         擬似障害歩行
  人体運動シミュレータとしての応用の一例として,障害者の歩行を模擬した擬似障害歩行実験を行いました.具体的には計測した障害者の歩行データを歩行パラメータとして使用し,擬似障害歩行パターンを生成しました.その際,障害者とWABIAN-2Rの間にモデル誤差があるため,パラメータの一部をGA(Genetic Algorithm)により最適化することで歩行の再現性と安全性を両立させました.生成した擬似障害歩行パターンを用いてWABIAN-2Rによる歩行実験を行い,下肢の矢状面における軌道や関節角度の比較からその有効性を確認しました.

擬似障害歩行実験  (2007)
擬似障害歩行
(.mpg形式 15[s] 2.7[MB])

障害者の片麻痺歩行を模擬した歩行



■ 人間の足部のアーチ構造を模擬した足部機構  (2009)




   人間の足部のアーチ構造を模擬した足部機構
  人間は踵から着地し,爪先から離れるという特徴的な歩き方をしています.また,人間の足部はアーチ構造(土踏まず)を持っている点で他の動物とは大きく異なっています.人間工学の分野では,このような特徴的な歩行と構造には,特別な関係があると考えられていますが,明確には解明されていません.そこで,私達の研究グループでは,人間の足部と歩行の関係を解明することを目標として,人間の足部のアーチ構造を模擬した足部を開発しました.
  人間の足部のアーチ構造は,足全体が地面に接地した時には柔らかく衝撃を吸収し,爪先立ちの時には体重を支えながら大股で歩けるように硬くなるといわれています.このアーチ構造の硬さの変化を再現する機構を備えた足部によって,足全体が接地する時に着地衝撃を吸収していることが確認できました.


■ 遊脚軌道修正制御  (2009)




遊脚軌道修正制御の概要
  これまで,ロボットが安定して歩行するためには,姿勢の崩れを防止する制御方法が取られてきましたが,アーチ構造を模擬した足部のように足幅の狭い足部ではあまり効果が期待できません.そこで,これまでとは逆に姿勢の崩れを積極的に利用した遊脚軌道修正制御を開発しました.ロボットが内側に倒れると,まず,もう一方の足を開いて着地させることで転倒を防ぎます.そして,姿勢の安定を取り戻した後,次の一歩からまた本来の歩行パターンに復帰します.
  この制御を開発することで,人間と同じ大きさであるアーチ構造を模擬した足部での踵接地・爪先離地歩行を実現することができました.

アーチ構造を模擬した足部機構による踵接地・爪先離地歩行
踵接地・爪先離地歩行 5
(.mpg形式 12[s] 1.9[MB])

アーチの変形を伴う踵接地・爪先離地歩行
歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:450[mm/step]
足部動作詳細 3
(.mpg形式 12[s] 1.9[MB])

アーチが変形しながら歩行する様子



■ 両足の滑りを利用した高速な旋回運動  (2010)




両足の滑りを利用した旋回運動
  人間はすり足や旋回など,路面と足裏の間の滑りを利用した運動も行います.滑りを利用した運動の利点としては,運動の高速化,エネルギー消費量の減少,両足が地面に接地した状態で動作を行うことによる外乱に対する安定性向上などが期待されます.
   人間の旋回動作のように足部の接地状態を切り替えることにより,滑りによる旋回運動を実現しました.さらに後ろ側の足首関節の動きにより旋回中の姿勢を安定化する制御を開発しました.これらの制御により,約90[deg]旋回するのに約2[s]と高速な旋回運動を実現しました.また,足踏みによる旋回運動と比べ,エネルギー消費量が約65%減少しました.

両足の滑りを利用した高速な旋回運動
両足の滑りを利用した高速な旋回運動
(.mpg形式 7[s] 0.7[MB])

旋回時間:1.5[s]
接地状態の切替時間:0.25[s] x 2
旋回角度:90[deg]



■ ヒト足部の足裏せん断弾性特性の測定  (2010)




ヒト足部の足裏せん断弾性測定装置
   今後のWABIAN-2Rの人間形足部機構ではトータルな足裏の機械的特性の模擬を行うことを考えています.そこで,まず皮膚などの足裏の弾性要素について模擬を行うことを新たな目的としました.その際,先行研究から参考値が発見できなかった足裏のせん断方向の弾性について,測定装置を開発し,測定を行いました.
   人間の足部および足首関節を固定した状態で足裏にせん断力を加え,その際のせん断力と足裏の変位を測定可能な装置を開発しました.被験者3名の測定データより,足裏全体が接地したときの足裏のせん断弾性係数が11.2[N/mm]であることを確認しました.

-ページトップへ-
 ●  実環境への応用

■ 福岡市内における公道での歩行実験  (2006〜2007)




                     福岡市内における公道実験
  人体運動シミュレータとしての応用範囲を広げるべく,世界で初めて2足ヒューマノイドロボットによる公道での歩行実験を行いました.具体的には,(ロボット産業振興会議(RIDC)「平成18・19年度ロボット開発技術力強化事業」の委託により)ロボット特区のひとつである福岡市内の公道にて歩行実験を行い,現状の歩行能力における問題点の洗い出しと新たな歩行安定化制御の開発を目的として実施されました.


■ 電源システム  (2007)




              実験時の電源の運用方法
  WABIAN-2Rは,外部電源とボディに収納されたバッテリのどちらでも駆動が可能となっています.主に,外部電源を用いて機体の調整などを行い,その後バッテリを用いて実験データの計測を行います.
  人体運動シミュレータとして効率的な実験を実現するために,WABIAN-2Rでは外部電源とバッテリのシームレスな切替が可能です.さらにバッテリに継足充電可能なLi-ionバッテリを採用することにより,外部電源使用時にバッテリを搭載したまま充電が可能となっています.
  これらの機能により,バッテリの交換や充電のための待ち時間が不要な効率的な実験システムを実現しています.



■ 路面適応を目指した足部機構  (2008-2010)


  屋外の路面には凹凸や傾斜だけでなく,うねりが存在するため,面で地面に接地する剛体平板の足部形状での歩行は不安定になってしまいます.そこで,2008年度に開発したセンサによ路面検知をする足部を改良し,路面のうねりにも対応可能な足部を開発しました.
  具体的には,足部の4隅に爪を搭載することで,路面に対して面ではなく点で接地できるようにし,直動するセンサの情報から路面の形状に合わせて最適な着地を行う路面適応動作を実現しました.実際にこの足部を用いて,うねりや高さ20[mm]までの凹凸のある屋外不整地での歩行に成功しました.
    路面検知可能な足部機構      路面適応動作

疑似不整地での歩行実験  (2009)                                 ○傾斜路面での歩行実験  (2009)
路面適応動作の評価実験
(.mpg形式 14[s] 2.0[MB])

5〜20[mm]の段差を連続で踏む
路面適応動作の修正量の評価実験
(.mpg形式 14[s] 2.0[MB])

平地から傾斜7.0[deg]の路面を歩行する

屋外の不整地路面での歩行実験  (2009)
急峻な凹凸と傾斜のある路面での歩行実験
(.mpg形式 13[s] 1.8[MB])

凹凸 0〜15[mm],傾斜 8.0[deg]

  2009年に開発した4点接地型の足部機構により不整地路面での歩行は実現しましたが,接地部での滑落により転倒してしまうという問題がありました.そこで,3点接地型へと改良することで不整地における歩行の安定性向上を図りました.
  具体的には,接地点における滑落を防止するため爪部の形状を見直し,さらに制御面でも接地点周りに回転して足部が路面に倣うように改良することで滑落の防止を図りました.また,3点接地型へと改良することにより安定余裕の増大も図りました.実際にこの足部を用いて,高さ20[mm]までの凹凸のある屋内不整地での歩行に成功し,滑落の防止を確認しました.
    3点型路面検知足部機構

滑落の防止  (2010)
回転中心の変更なし
(.mpg形式 16[s] 2.0[MB])

20[mm]の段差を踵で踏むと滑落が
発生
回転中心の変更あり
(.mpg形式 15[s] 1.8[MB])

20[mm]の段差を踵で踏んでも滑落は起きない

疑似不整地での歩行実験  (2010)                                 ○傾斜路面での歩行実験  (2010)
路面適応動作の評価実験
(.mpg形式 12[s] 1.5[MB])

5〜20[mm]の段差を連続で踏む
路面適応動作の修正量の評価実験
(.mpg形式 13[s] 1.8[MB])

平地から傾斜7.0[deg]の路面を歩行する



■ 歩行安定化制御  (2008)



歩行安定化制御の構成

  ロボットを安定して歩行させるために,ロボットの歩行パターン(各関節の時系列角度データ)を重力と慣性力がバランスするように予め計算しています.しかし実際はその歩行パターン通りにロボットを動かしても歩行することはできません.
  これは実際の環境では路面のわずかな凹凸や傾斜,ロボットの質量配置の誤差,構造部材のたわみなど,パターンを作るときにコンピュータ上で想定されていない要素があるからです.そこでWABIAN-2Rはセンサから得られる床面からの力,トルクやロボットの姿勢のデータを利用して安定に歩行するための制御を行っています.

  具体的には,着地時の衝撃を抑制するために足部を柔らかく着地するコンプライアンス制御,路面にあわせて足先の位置姿勢を変更する着地軌道修正制御(LPMC),ロボットの姿勢の崩れを修正する姿勢制御などを用いています.これにより傾斜5[deg]や段差20[mm]といった大きな傾斜・段差のある路面でも歩くことが可能です.
  実際,福岡市で行った屋外での歩行実験でもその歩行能力の高さを発揮し,公園のスロープや凹凸のある歩道などにおいても安定した歩行を実現することができました.

屋内での段差20[mm]歩行実験(2008)
路面検知をしない場合
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

20[mm]の段差を足全体で踏む
路面検知をして着地予備動作をする場合
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

20[mm]の段差を爪先・踵の順で踏む

屋外での歩行実験(2008)
凹凸とうねりのあるタイル路面
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

凹凸 5.0[mm] 傾斜 2.0[deg]
急なスロープ
(.mpg形式 13[s] 2.2[MB])

傾斜 5.0[deg]



■ フーリエ変換を用いたオンライン歩行パターン生成法  (2009)




フローチャート


被補償モーメントに対する補償軌道の算出
  これまで,WABIAN-2Rは事前に歩行計画を設定した上で,歩行安定化制御によって短期的な安定性を確保することで歩行を実現していました.しかし,この手法では歩行中に歩行計画を変更することができないので,中長期的な安定性までは確保することができません.
  今後,実環境下で歩行を行っていくことを考えると,短期的な安定性確保だけでは対応することが難しくなると考えられます.そこで,フーリエ変換を用いて,歩行中にオンラインで歩行パターンの生成を行う手法を開発しました.
  この手法を開発することで,ジョイスティックで操縦しての歩行を実現しました.

オンライン歩行パターン生成による歩行
腰高さが変化する歩行
(.mpg形式 24[s] 3.9[MB])

歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]
ジョイスティックによる歩行
(.mpg形式 84[s] 14[MB])

歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]



■ 再現性のある外乱力を発生可能な装置  (2009)




                    外乱力発生装置
  実環境では,人や物との衝突などロボットに未知の力(外乱力)が発生することが考えられます.これまでにも,そのような外乱に対し補償を行う制御を開発してきましたが,評価実験では人間がロボットを押して外乱力を与えていたため,再現性が低いという問題点がありあました.特に,動作中のロボットに毎回同じタイミングで力を与えるのは大変難しいです.
  そこで,人間に代わりロボットに外乱力を与える装置を開発しました.この装置はロボットの動きに追従し,任意のタイミングで再現性のある外乱力を与えることが可能です.



■ 下肢協調型適応動作による路面に応じた歩行  (2010)




路面に応じた適応的な歩行

   WABIAN-2Rは膝を伸ばした人間らしい歩行(膝伸展歩行),および膝を曲げた状態での歩行(膝曲げ歩行)の2種類の歩行が可能です.膝伸展歩行は膝を伸ばすことにより高速な歩行が可能というようなメリットがあります.一方,膝曲げ歩行は凹凸などがある不整地路面で安定した歩行を行うことが可能です.そのため,路面に応じて2種類の歩行を使い分けることで,両者のメリットを最大限に活かすことができると考えられます.
   そこで,歩行の種類によらずに脚の動きを決定するための新たな逆運動学計算法と路面に応じて膝を曲げ伸ばしさせるためのオンライン歩行パラメータ生成法を開発し,オンライン歩行パターン生成による,路面の変化に応じた適応的な歩行を実現しました.

下肢協調型適応動作による路面に応じた歩行
路面に応じた適応的な歩行
(.mpg形式 17[s] 1.8[MB])

歩行周期:1.0[s/step]
歩幅:200[mm/step]
段差:5〜20[mm]

平地から不整地に変化するにつれて徐々に膝が曲がっていく



■ 軟弱路面での歩行実現に向けた基礎的研究  (2010)


  これまで,2足歩行ロボットの実環境路面における安定歩行を目指した研究は数多くあります.しかし,成功しているものの多くは路面が十分に固く変形しない不整地路面において行われたものです. ところが,実環境においては固い路面ばかりではなく雪道や砂地など柔らかい路面も多数存在します.
  そこで本研究では,路面形状が変化する軟弱路面における歩行安定化を目標としました.具体的には,軟弱路面をモデル化することで路面の加わる力に対する変形量を予測し,これをもとに変形に対応可能な制御系の構築を目指しました.
  そのための基礎研究として,路面の変形量に応じて足部の姿勢を修正する制御を開発し,厚さ20[mm]のスポンジ上での足踏み実験などを行いその有効性を検証しています.
    軟弱路面適応制御の概要

軟弱路面での歩行実験
軟弱路面での歩行実験
(.mpg形式 21[s] 2.8[MB])

20[mm]のスポンジの上での足踏み



■ 月面重力下でのシミュレーション  (2010)




月面重力下でのシミュレーション
  近い将来,月面探査など地球以外の場所での2足歩行ロボットの活躍が期待されています.しかしながら,月面では地球上と比べ重力が小さいためにゆっくりとした歩行しかできません.このような環境下でもロボットが移動可能であるためには環境条件に応じた移動方法を検討する必要があります.
  そこで本研究では,月面重力下でロボットの動作を検証するシミュレーションを行い,移動を実現するために必要な性能について検討しました.

-ページトップへ-
 ●  共同研究

  「新歩」は,株式会社内田洋行が受託した新潟県立自然科学館のロボット展示の一部として,株式会社テムザックと高西研究室の共同で設計・開発しました.
  WABIAN-2Rと同様に腰部の2自由度旋回運動を利用することで,より人間に近い歩行スタイルを実現しています.

株式会社内田洋行
http://www.uchida.co.jp/
新潟県立自然科学館
http://www.lalanet.gr.jp/nsm/index.html
株式会社テムザック
http://www.tmsuk.co.jp/tmsuklab/

進歩


  「キヨモリ」は,株式会社テムザックと高西研究室の共同研究で開発されました.
  「新歩」,WABIAN-2Rと同様に腰部の2自由度旋回運動を利用することで,より人間に近い歩行スタイルを実現しています.

株式会社テムザック:キヨモリ特設ページ
http://kiyomori.jp/main.html

キヨモリ

-ページトップへ-
 ●  今後の展望
Future Works Future Works   今後,ロボットの運動能力をさらに人間に近づけていき,様々な福祉機器の定量的評価を行っていきたいと思います.
  将来的には人体運動シミュレータによる福祉用具評価手法の確立を目指しています.そして,最終的には福祉・リハビリテーション分野に留まらず,様々な分野で応用可能な人体運動シミュレータを実現したいと考えております.

様々な福祉用具の定量的評価のイメージ
-ページトップへ-
 ●  謝辞
  本研究の一部は,岐阜県「WABOT-HOUSEプロジェクト」,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「次世代ロボット実用化プロジェクト:プロトタイプ開発支援事業」,ロボット産業振興会議(RIDC)「平成18・19年度ロボット開発技術力強化事業」の委託により行われ,早稲田大学ヒューマノイド研究所のもとで実施いたしました.さらに,文部科学省の科学研究費(18360126,基盤研究(B))の助成や,トヨタ自動車株式会社からの出資も受けております.
  また,本研究を進めるにあたり3D-CADソフトウェアをご提供頂いたソリッドワークス・ジャパン株式会社,OSをご提供頂いたQNXソフトウエアシステムズ株式会社,電線をご提供頂いた大電株式会社,ロボット用のサポートクレーンをご提供頂いた株式会社キトーなど研究に協力頂いている関連企業各社,地方自治体および官公庁に感謝いたします.
HRI 早稲田大学ヒューマノイド研究所
WABOT HOUSE 早稲田大学WABOT-HOUSE研究所
トヨタ自動車株式会社
新エネルギー・産業技術総合開発機構  (NEDO)
ロボット産業振興会議  (RIDC)
ソリッドワークス・ジャパン株式会社
QNX ソフトウエア システムズ株式会社
大電株式会社
株式会社キトー
株式会社テムザック
-ページトップへ-
Takanishi Laboratory トップへ Last Update 2010.11.30

Copyright(C) 2010 Takanishi Laboratory
All Rights Reserved.